プロ野球監督も管理職も、評価が雑すぎる! 緻密に評価される選手や現場社員とは大違い

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こうした数値の高さで、選手たちは優秀か否かを測られてきました。ただ、この数値に疑問を抱く声がなかったわけではありません。例えば、勝利数は多いが、強いチームで打線に助けられているようにしか見えない投手。あるいはホームランはたくさん打っているけど、勝利に対する貢献度合いが低く思える打者。長く使われてきた数値ではありますが、それだけではみえてこない部分があると感じる人は少なくなかったでしょう。

そこで登場したのが『マネーボール』という映画で認知が広まった「セイバーメトリクス」という統計分析。セイバーメトリクスは伝統的な評価基準では見落としたり、過大評価、過小評価されてしまっていた選手の能力を再評価するものです。例えば、

K/BB:四球1つあたり何個の三振を奪っているか?「投手の完成度」を表す
OPS:出塁率と長打でどれだけ得点に貢献しているか?「攻撃力」を表す

「マネーボール」では米国メジャーリーグの貧乏球団・オークランド・アスレチックスのビリー・ビーンGMが、セイバーメトリクスを用いて、プレーオフ常連の強豪チームを作り上げていく物語が描かれています。最近では日本のチームでも大いに活用されており、選手を緻密かつ的確に評価できる時代になりつつあります。

順位という結果だけの評価がされてしまう仕事

一方、チームの旗頭である監督の評価で使われる数値はどうか?いまだにAクラス(上位3チーム)に入れば監督続投。駄目なら交代……と、数値と呼ぶにはシンプル過ぎる「結果」で続投と退陣を評価されているようです。

これから秋が深まり、チーム成績が確定してくると、その成績に応じて監督の続投や交代に関する報道が始まります。すでに埼玉西武の田辺徳雄監督が6チーム中で5位の成績であることを理由に退陣が決まったようです。田辺監督は「残り22試合、全力で戦うだけ。最後まで戦う責任がある」とコメントしています。でも、本音ではチームの戦力補強が不十分であるなど、言いたいことはたくさんあるはずでしょう。

同じように順位が下位になればチームの前提条件が悪かったとしても「言い訳」は許されず、責任を取る立場とされてきました。選手について緻密な評価をする時代に、監督の評価は従来のままでいいのでしょうか?

もともと、与えられた戦力に加え、会社の管理職なら気になる「裁量権」についても監督によって大きく違います。例えば、ファイターズの栗山監督は選手の採用権はまったくないと言われています。あくまで、与えられた戦力でリーグ戦を戦うのが監督の役割。一方で採用権を全面的に与えられて、戦力補強を許されている監督もいます。ビジネスの世界でいうと

ドラフト:新卒採用
移籍・FA:中途採用

の権限があるという感じでしょうか。

さらにチームによって、採用にかけられる予算も大きく違います。まさに前提条件が違う状態で、順位という結果だけの評価がされてしまう仕事。

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