日経平均は1万7000円超で失速する懸念 9月第2週目に待ち受ける「ワナ」に注意
こうした米国市場の動きを受けて、ナイト・セッションでは日経225先物は日中終値比180円高の1万7120円まで上昇している。2日のナイト・セッションでつけた足元の高値1万7070円を上抜けており、終値ベースでは6月1日以来の1万7000円台回復となった。米国株高、円安ドル高と良好な外部環境を背景に、週明けの日経平均は6月1日以来の1万7000円台回復となる公算が大きい。
ようやく7月戻り高値1万6938円、8月戻り高値1万6943円を上回りそうな状況だ。東証1部の売買代金はインデックスイベント(日経平均銘柄の入替など)を除き、8月22日以降、2兆円割れが続いている。外部環境頼みの地合いではあるが、足元の低体温相場(商い閑散)が転換する可能性はある。
日経平均は1万7000円を超えたところで値固めに
ただ日経平均が1万7000円の大台を回復したタイミングで、商いの増加を見たいところだが、商いが大幅に増加する可能性は低いと言えよう。
要因として、9月20-21日に開催される日銀金融政策決定会合が挙げられる。今回の会合では、これまでの金融政策の「総括」を控えていることから、現時点での物色の対象は非常にわかりにくい。ただでさえ様子見姿勢が強いなか、日経平均が5月高値の1万7251円手前で失速といった展開となれば、上値の重い地合いは日銀会合まで続くこととなろう。
また、 週末の9日にメジャーSQ(特別清算指数)値の算出を控えていることも、商いの増加を妨げる材料となろう。今月のSQは、3月、6月、9月、12月と年4回しかないメジャーSQだ。
225先物ラージ、ミニ、オプション取引などの清算値が算出されることから、ほかのSQ(マイナーSQ)と比較すると売買が大きく膨らむ。
そうなると「メジャーSQで売買が増加するのであれば、5日からの週は売買代金が盛り上がるのではないか」との声が聞かれそうだ。
だが、実際、SQに絡んだ売買というのは、これまでのポジションを整理する売買がメインのため、新規のポジションを構築するのはSQ通過後となるパターンが多い。
つまり、週明けに1万7000円を超えたタイミングで、オプション、先物や裁定に絡んだ新規のポジションはほぼ入らないだろう。メジャーSQ通過後であれば、先物、オプションなどの売買増加も期待できたが、その後のスケジュール面を考慮すると厳しいか。
結論として、メジャーSQや日銀会合開催などを考慮すると、5日以降、日経平均が5月高値1万7251円を上抜き、商いを伴い上げ幅を一気に拡大する展開を迎えるというのは難しいと考える。次の展開を意識した1万7000円レベルでの値固めを想定する。1万7000円レベルは200日移動平均線が位置していることから、居心地のいい水準とも言えよう。
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