日経平均は1万7000円超で失速する懸念 9月第2週目に待ち受ける「ワナ」に注意

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週明けの日経平均は1万7000円突破へ。だがそのあと買うと、「ワナ」が待ち受けているかも(写真:AP/アフロ)

注目の8月の米雇用統計が発表になった。非農業部門の雇用者数は15.1万人増にとどまり(予想は18.0万人増)、失業率は下がらず(4.9%のまま)、平均時給の伸び率も鈍化(前月比+0.1%、市場予想は+0.2%、7月は+0.3%)した。その結果、発表直後の反応はドル売りとなり、ドル円は一時102円80銭まで下落した。

なぜ「弱い数字」なのにドル高&株高になったのか

しかし、非農業部門雇用者数については、フィッシャー米FRB副議長が「7.5万人から15万人」の増加を目安にしているといわれており、市場では今回の15.1万人増でも9月利上げを検討する可能性が十分あると見られ、ドル買いが再燃。ドル円は104円32銭まで上昇した。

一方、株式市場では、NYダウ平均とナスダック総合指数はいずれも上昇。早期の利上げ検討への警戒感は残るものの、平均時給の伸び率鈍化などが嫌気されて「9月の利上げはない」との見方が強まったもようだ。為替市場とは異なる見解だが、8月の雇用統計は決定的な材料にはならないとの意見があるもようだ。要は、為替、株式市場ともに都合のいい方へ解釈した格好に思える。

ちなみに、債券市場では、政策金利との関係性が強い2年物米国債利回りは0.79%とほぼ変化は見られなかった。

昨年利上げが実施された12月は、2年物国債利回りは1.091%まで上昇していた。当時FRBは2016年に4回の利上げを実施するような勢いを示していたことも影響しているが、足元の利回り推移を見る限り、債券市場では早期の利上げを織り込むような動きは見られない。

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