「無理めの目標に挑む」時期は絶対に必要だ スキルとメンタルを同時に向上させる方法
スキルの向上に伴い、メンタルがどう変わっていくのか? ポイントは、スキルとメンタルを同時に向上させることです。
心と体を互いに引き上げながら強くなる
伊調も登坂も、初めからスキル・フィジカルとメンタルともに強かったわけではありません。伊調が私の下に来たとき、慣れない寮生活に悩む日々が続きました。登坂は、昔は43kg級くらいの軽い階級だったので、階級を上げるための体作りに苦労していました。
私がまず選手たちに課すのは、とにかく体力をつけること。人をおぶって坂を上ったり、砂浜の上でダッシュをしたりと、キツイ練習を繰り返します。
吉田沙保里は、大学に入ったばかりのとき、「何度も途中でやめようと思ったけれど、強い先輩たちがやっているのを見て、これをやれば先輩たちみたいに強くなれると思って頑張った」と言っています。
つまり、がむしゃらにキツイ練習をクリアすると、それに対応するようにメンタルが強くなっていくのです。メンタルが強くなれば、またさらにキツイ練習に取り組む気力が沸いてきます。そして、実戦練習の中でうまくいかなかったり負けたりしても、「次は絶対に勝つ」という気持ちが生まれてきます。
ビジネスの世界でも、スキルが未熟であったり経験がなかったりする段階で「メンタルを強くしろ」と言われてもムリな話でしょう。メンタルが弱くなってしまうのは、「できない」という事実があるからです。
「できない」気持ちを「できる!」にすることで、スキルアップと同時にメンタルを強くすることができるのです。
企画書を作って会議で上司を説得する、顧客に新規契約の提案に行くなど、相手のあるものなら自分の仕事の評価がわかります。一度くらいダメでも結果が出るまで努力し続けるのです。
今は、身の丈に合った努力でストレスなく仕事を続けることが奨励されると聞きます。しかし成長の過程では、ある時期高いハードルに挑戦することが不可欠です。先の見えない努力は苦しいのですが、続けていれば必ず光が差すときがきます。そうすることでスキルが身に付き、自信がついてメンタルが強くなり、次のチャレンジができるようになります。
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