日本の株高はいつまで続くか? ヘッジファンドが買い続けるが、春先に調整も
5月には調整が濃厚
米、欧、日本の金融緩和で膨張するカネ余りを原動力とする、このような金融相場は、いつ下落に転じるかわからない。前出の藤戸氏は目先、1万3000円を視野に、「5月にはいったん調整が入る」と見る。企業の本決算が発表される4月後半から5月に、2013年度の業績見通しがそれほど高くないことがわかると、失望売りがかさむ可能性があるほか、5月はヘッジファンドの中間決算期に当たるため、利益確定で売られる可能性があるという。日銀の黒田東彦(はるひこ)新総裁が繰り出す金融緩和策が、市場の期待を下回る場合も、失望売りが出そうだ。
グリーンスパン前FRB議長は、00年のITバブル崩壊を、住宅バブルを起こすことで乗り切り、100年に一度の金融危機を招いたと批判された。バーナンキ議長も同じ轍を踏むように見える。米国の雇用問題は単なる景気循環の問題ではなく、ミスマッチという構造問題を抱えており、金融政策だけで解決できるわけではない。それでも失業率6.5%を目指して、バーナンキ議長は当面、QE3を長引かせ、利上げに転換する時期は遅れそうだ。
そうなると、一時的な調整局面を乗り越えて、日本株の上昇は続くかもしれない。ただし来年以降、FRBが政策を転換したらどうなるか。日銀がどう頑張っても、バブル崩落を迎えるだろう。
(撮影:尾形文繁)
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