中国は、なぜウーバーを叩きだしたのか 「郷に従えない」企業は生き残れない

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ウーバーが「敗者」となった現在、その投資家にとって、すでに報じられたよりも悪い条件で撤退が行われたとしても驚くには当たらない。中国政府はウーバーの撤退発表後、合併認可を申請する前の企業は取引を無効にできるとの措置を発表した。ウーバー中国法人に、出資や面目を保てる滴滴との合併ではなく、出資がかさむ単独営業を迫る形だ。

中国当局はウーバーというトロフィーの頭を救うよりも、切り落とすことに満足感を覚えたのかもしれない。

中国が断念させた「世界支配」

滴滴もまた、ウーバーが再交渉に応じざるをえないような、各種の主張を持ち出した。鉄鋼産業や不当廉売をめぐるケースなどで募っていた欧米に対する反感、南シナ海問題に関する常設仲裁裁判所による最近の決定、ドナルド・トランプ氏の反中国的なコメントなどを考えると、このような意趣返しをされるのもうなずける。

600億ドル以上もの市場価値があるとされたウーバーは、世界を支配するかのように思われた。そうはならないと中国が見せつけたのである。

滴滴の程CEOはある投資家から「猛烈なタフさ」と「ジャングルの掟という考え方」を持つ人物だと評された。彼は友人から少しの助けを借りて、中国のライドシェア大騒動を勝ち抜いたようだ。

著者のロバート・ボックスウェル氏はクアラルンプールの経営コンサルタント会社オペラ・アドバイザーズのディレクター。このコラムは同氏の個人的見解に基づいている。

 

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