日本の「大学卒」の価値は暴落する 日本とインターナショナルスクールの教育はここが違う

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一般的にインターは、生徒の自由を尊重した個性重視教育をしていると思われている。もちろん、日本の学校に比べたらそうかもしれないが、やはり学校は勉強するところだ。国際教育とはいえ、勉強が第一であることには変わりない。

実際、通わせてみると、毎日宿題が出て、それをこなすだけで2~3時間かかり、日本の受験教育で欠かせない塾通いをしている時間などなかった。学校は午後3時には終わったが、その後はすぐ帰宅して夕食までずっと宿題をやる。それが、娘の小学校低学年のときからの日課になった。宿題が多いときは、自然と夕食時間が遅くなった。

宿題はもちろん、すべて英語。とはいえ、小学校低学年の問題だから、娘がわからないところは私でも教えられた。特に、算数、理科などは簡単だった。

ただ、英語に関しては、日本の英語教育にはない「フォニックス(アルファベットの文字と発音の規則性を学ぶ科目)」があり、これには相当てこずった。

インターとはいえ日本にある以上、日本語の授業には重点が置かれていた。特に、日本人生徒のために、選択科目だが、毎日、日本語(国語)の授業があった。だから、娘は一般の日本の学校と同じ国語の教育を受けて育った。娘はミドルスクール(8年生修了)を終えると、セントに廃校問題が生じたため、ハイスクールは同じ横浜にあるサンモール・インターナショナルスクールに転校したが、ここでも国語の教育を受けた。

インターの日本語教育については稿を改めたいが、インターに行ったからといって日本語がおろそかになるというのは、大きな誤解である。問題は言語ではなく、インターの教育では身に付かない日本の伝統、文化、歴史をいかに身に付けるかだ。このことに関しては、この連載のどこかで徹底的に書く予定だ。

アメリカの大学は学位授与センター

さて、1980年代のアメリカがいくら荒廃していようと、高等教育だけは世界最高レベルにあった。これは、現在も同じである。だから、アメリカの大学に進学するとしたら、やはり、それなりの上位校を目指すことになる。

具体的に言うと、アイビーリーグ8校を含むナショナルユニバシティーズのトップ20校、あるいはリベラルアーツカレッジのトップ20校ということになる。

アメリカには総数だけでいえば、約4000校の大学がある。これはコミュニティ・カレッジを含めた数だが、人口がアメリカの半分以下の日本が750校余りだから、アメリカの大学数は多すぎる。ということは、ほとんどのアメリカの大学は、実際は大学ではないということになる。アメリカの大学というのは、国民に「大学卒」の資格を与えるための単なる「学位授与センター」にすぎないのだ。

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