V字回復のフラガール、「八重の桜」とコラボ 新型石炭火力IGCC稼働も追い風

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春休みは卒業旅行など活況、宿泊者数が最高に

春休みシーズンに入ってからは、「卒業旅行などを含む学生のグループ旅行が、震災前に比べても増えている」(常磐興産)という。「首都圏からの無料バスも運行しており、平日なら1人1万円もあれば1泊2食付きで泊まれるコストパフォーマンスのよさが、若い男女に受けている」と会社側では説明する。

このため単月で見た場合、宿泊客は1966年の「常磐ハワイアンセンター」(スパリゾートハワイアンズの前身)開業以来、3月としては過去最高を更新する可能性が高い。

こうした足元の情勢を受けて、会社側は3月上旬、今期の利用者数見通しを日帰り客139万人、宿泊客38万人に再度引き上げた。

常磐興産の斎藤一彦社長は、年初の常磐グループ新年祝賀会で、「来期(14年3月期)は150万人を目指す」と宣言。これが実現すれば、東日本大震災後の11年11月に発表した「新中期経営計画」で掲げた16年3月期の年間日帰り客155万人の目標を、2年前倒しでほぼ達成することになる。

「八重の桜」会津とのコラボが本格化

スパリゾートハワイアンズの来14年3月期は、今期のような被災地企業支援の動きに乗った団体客の集客は、さすがに一服する可能性がある。

ただ、震災前から続いていたホテル設備の新設・修繕等が、昨年末でようやくすべて一巡。宿泊客のキャパシティが、震災前の1日1500人規模から、同2000人規模へと大幅に拡大されたことが、来期は通年で寄与してくる。

放映中のNHK大河ドラマ「八重の桜」効果で、舞台となった会津地方を中心に、福島県内への観光需要がようやく底打ち傾向にあることも、プラス材料だ。

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