エイベックスがダメ会社にならない道がある 松浦社長「ギリギリを攻めていきたい」
山田:音楽から離れたところであれば、もっと自由に動けるかもしれません。絵画などの美術はどう思われますか。今、実は静かな美術ブームが起きている。4~5月には東京都美術館で伊藤若冲展がものすごく多くの人数を集めました。
松浦:イベントスペースを確保し、海外から持ってくるという契約をすればいいわけですね。うちでも似たようなことをやっていますから、できなくはない。全然考えていなかったですけど。
山田:海外だけではなくて意外に日本には世界的に人気のある作品が多い。伊藤若冲だって日本のものですから。普段は宮内庁の美術館に入っているものを交渉して出してくればいいんです。
松浦:でも知識が必要ですね。
山田:学芸員を雇えば大丈夫です。もっと今の時代にあった美術の見せ方をできるはずなのに、相変わらず9時30分開館、17時30分閉館みたいな世界ですから、不満に思っている学芸員は多いはずです。当たり前を壊してギリギリを攻める、ということではぜひ美術もやってください。
松浦:2020年に売り上げ2500億円を達成するためにはライブ関係への期待が大きいんですが、ここは音楽だけじゃない。博物館とか美術館というのは、おもしろいかもしれない。
2500億円は背伸びをした目標
山田:そもそも「2500億円」は余裕で達成できる目標ですか、それともストレッチ(背伸び)した無理な目標ですか。
松浦:かなりストレッチしています。ストレッチしていますけど、無理ってことではない。達成の可能性があるところにストレッチしています。
山田:要するに、成長できるんだということですよね。「成熟産業だから」なんて言い訳をするなよ、と。
松浦:実際、アニメ、デジタル、ライブといった事業領域は伸びており、音楽パッケージのマイナスを引いてもプラスになる。そこの頭を早く切り替えないといけない。
山田:ライブだけでなく、デジタルという点でも、エイベックスが手を付けていないエンタメは多い。
今の世の中の主役はスマホ、そしてスマホの王者は音楽ではなくゲームです。若い人たちはゲームにものすごい時間を使っている。エイベックスも『おそ松さん』のゲームアプリをやっていますが、ゲームにはどう取り組みますか。
松浦:当然考えますけど、そんなに簡単なものではないだろうという思いがあります。
山田:他社と組みながらやればいいのでは?
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