国と東電を提訴、住民1650人が決起 過去最大規模の原発被害訴訟
過去最大規模の原発被害訴訟
3月11日には、いわき支部のほか、福島地裁や東京地裁、千葉地裁でも国や東電を相手取った損害賠償請求訴訟が申し立てられた。4つの訴訟を支援する
「3.11公害弁護団全国連絡会議」によれば、原告は1650人、請求総額は53億6000万円余りにのぼる。原発事故に関する訴訟の規模としては、過去までにないものだ。
このうち、東京地裁に訴えを起こしたのは、4歳から68歳に及ぶ3世帯の8人。全員がいわき市からの避難者で、現在は東京都内で生活している。原告の一人である鴨下祐也さん(44)は、大地震と原発事故が起きた11年3月11日の深夜に自家用車での避難を決意。子どもにはおもちゃ3つを持たせただけで東京に向かった。「すぐに戻ってこられる」と思っていたからだ。
ところが、避難生活は予想を超えて長期化する。鴨下さんは妻子を東京に避難させたまま、自身はいわきに戻って仕事を続ける「二重生活」を選択したが、いわきに戻る途中の高速道路で生まれて初めて交通事故を引き起こし、車を大破させてしまった。
また、長引く二重生活のストレスや職場の混乱で体調を崩し、いわきでの仕事を辞めざるを得なくなった。現在は都内の公営住宅で家族とともに暮らしているが、仕事も不安定なうえ、来年7月末の入居期限も近づいている。