国と東電を提訴、住民1650人が決起 過去最大規模の原発被害訴訟

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過小評価されるいわき市民の被害

一部の地域を除いて原発から30キロメートル圏外にあるいわき市では、原発事故直後に市民の約半数が一時的に市の外へ避難に踏み切った。原発が水素爆発を起こし、食料品や医薬品すら届かなくなったためだ。しかし、避難指示区域や屋内退避区域に指定されなかったことから、いわき市は被害が小さいとみなされ、精神的損害や避難に関する費用は、大人の場合に最大12万円、妊婦や18歳以下の子どもでも最大72万円で打ち切られた。東電首脳自ら「事故が収束したと述べたのは拙速だった」と語っているにもかかわらず、これ以上の損害は発生しないという理屈によるものだ。

現在もいわき市外に避難している市民は3571世帯、7838人(2月25日現在)にのぼり、見知らぬ土地で不安な生活を余儀なくされている。

いわき市にとどまった住民も、低線量被ばくの不安を抱きながらの暮らしを続けている。いわき支部への集団提訴に加わった菅波好恵さん(30)は女手一つで6歳と4歳になる娘を育てている。菅波さんも原発事故直後に、弟夫婦らとともに8人で福島県棚倉町の旅館に転がり込むように避難したが、食材も満足になく、耐乏生活を強いられた。

そして、見知らぬ土地に避難をし続けるのは経済的にも精神的にも限界だと感じ、不安が消えぬまま3月25日には自宅に戻ってきた。いわきで子どもを育てる覚悟を決めたものの、放射能への不安と背中合わせの日常が続いている。

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