これではビジネスとしてうまくいくはずもありません。バレーボールの場合もご存知の通り、企業がその広告媒体、広告の看板代わりに、場合によってはその企業の社員のための福利厚生に使われるようなケースばかりで、これで真剣に儲けてやろう、という人が一人もいないに等しい。おそらく日本サッカー協会のチェアマンだった川淵三郎氏くらいがその気があるのだろう、と思いますが、その規模は世界と比べれば比較にならないくらい小さいということです。
日本のスポーツ市場は、経済規模に比べ小さすぎる
日本では、スポーツを長く教育として捉えて来たので、そういう考え方に至らないのだとは思いますが、いつまでも金儲けの経験のない学校の先生のような方が協会で大きな顔をしていたのでは、残念ながらその業界のためにも選手のためにもなりません。
実際にプロゴルファーになった女子選手の一人が、「なんで一銭にもならないバレーボールなどのスポーツをやっているのか全く理解できない」と発言して物議をかもしたことがありましたが、これはまさに正論で、そうしなければよい人材も、つまり選手も集まらず、みんなが野球とゴルフに集まってしまうのが、日本のスポーツビジネスの状況で、それは世界的に見ると極めて奇怪な風景だ、ということを申し上げたいわけです。
実は、ブラジルオリンピックのバレーボールのスポンサーになっている企業には日本の企業も入っています。アシックスさんとミカサさん(ボールの会社で広島の企業)です。結局、こうして世界の市場に出てくる日本企業がいるということは、それが金になることを証明していることにほかなりません。そしてその市場が日本にないからこそ、わざわざこうして世界に出てきているわけですね。
今回は我々の岩手・紫波町の体育館を手伝ってくれた床材メーカーであるGerflor(ジェルフロー)社さんにお願いしていろいろルートづくりを手伝っていただいているのですが、フランスのメーカーである彼らからしても、日本のスポーツ市場はその経済規模から見てあまりにも小さい、という印象を持っているそうです。(事実、紫波町と今回の東京オリンピック会場にしか売れたとがない)。
どうですか、この現状を変えるだけで巨大なスポーツ市場が生まれれば、それは雇用も大きく増やす一大産業になるんです。こんな潜在力を放っておくのは日本経済全体にとっても極めて大きな損失になっているのではないのか、とワタクシ、今ブラジルで真剣に悩んでおります。
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