結局、日本人が甘いからつけこまれる
ビンセント:今の中国の反日デモにしても、激しくなると学生たちは1党独裁の共産党批判にエスカレートしますから、中国政府は常に心配しています。
中村:つまり、中国政府自体が被害妄想になって、国内のデモが政府に向かうのではないかと考えているわけですか? 「学生一人当たり百元を与えて反日デモを演出したのは中国政府だった」といううわさもありましたが、アルバイトのデモが本気になって「天安門事件」のような大事件に発展したら、シャレになりませんよね(笑)
ジェームズ:そうです。過剰反応し過ぎて共産党の1党独裁が持たないかもしれないと考えているんでしょうね。共産党幹部の一部が賄賂で私腹を肥やしていることを責められる、と恐れているので、いわば「誇大妄想状態」です。
ビンセント:ところでなぜ、日本企業にだけ中国人従業員のストや暴動が多いのかわかりますか?
中村:それはやっぱり、日本人の文化と中国人の文化とのギャップから、たがいの意見がすれ違うからだと思いますが。
ビンセント:それも間違いではないですが、実際には欧米企業はルールがはっきりしていて、ストをしたらすぐにクビにできるようなシステムを持っている。だからストができないだけです。つまり、日本人の管理手法は甘いから、ルールが緩いんです。ちょっとは「恐怖政治」もしなくちゃね(笑)
ジェームス:中国企業の場合は、露骨ないじめを受けるからストがやりたくてもできない。その点、日本企業はルールを作っても甘いからなめられる。はっきりと言わない日本の美徳は中国では通用しない。反日デモも、中国人は日本相手なら反撃されないことを知っているから安心して暴れることができる。一方、反政府デモはリスクがあるから、中国の若者も恐くてできないだけです。
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