デキない人ほど「忙しいフリ」に走る真の理由 仕事の「やり方」が劇的に生まれ変わる時代

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無能な人間ほど「忙しい」が口癖だ(写真:Elnur / PIXTA)
長年コンテンツ業界で仕事をしてきた岩崎夏海氏が、その中で培った「価値の読み解き方」を駆使し、混沌とした現代のライフスタイル感をつづります。本記事は岩崎夏海メールマガジン「ハックルベリーに会いに行く」(夜間飛行)からお届け。

 

堀江貴文さんが書いたこの記事を読んで、強くインスパイされた。

最近飲食店経営について考えていること(ホリエモンドットコムブログ)

何が書いているかというと、堀江さんの知人の旅館や飲食業の方々が、非常に短い労働時間で大きな利益を上げ、余った時間を勉強や遊びなどインプットに充て、いい循環を生み出しているという話である。

「仕事をしているフリ」をする人が増えた

当記事はプレタポルテ(運営:夜間飛行)の提供記事です

この話は、ぼくの実感とも深く通じる。近頃、とみに働く時間が短くなった。かといって、仕事がなくなったわけではない。アウトプットは、むしろ以前より増えている。前よりも短い時間(感覚としては半分以下)で、以前の1.5倍くらいの量をこなしているのだ。

なぜそれが可能になったかといえば、ネットに代表される各種の新しいサービスを使っているからだろう。あるいはスマホなどの最先端機器を駆使している。それで、ぼくだけではなく、ぼくの会社の社員も、非常に短い時間で仕事がたくさんできるようになった。

それにもかかわらず、世の中にはブラック企業やブラックバイトで、長時間働かされていることが話題になっている。そのため、ぼくの実感と世の中の動きとは大きな隔絶があるのだ。

ぼくは、なぜそうした隔絶が生まれるのか、ずっと考えていた。それで、これも堀江さんの本を読んでいて分かったのだが、それには、競争社会が深く関係しているのだ。競争に負けそうになっている人たちが、自分たちの存在意義を見失いかけている。そのため、長時間働くことで、それを担保しようとしているのだ。つまり、本当は仕事がないのに、無理矢理「仕事をしているフリ」をしているのである。だから、勢い長時間労働(のフリ)になるのだ。

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