小学生時代、アメリカでやらされたこと
米国は、小学生の時分から、朝一番、授業が始まる前に、手を胸に当てて国旗に忠誠を誓う国家です。その誓いの言葉は、次のとおりです。
"I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all"(私は、アメリカ合衆国の国旗に対して忠誠を誓います。また、この星条旗は、神さまの下で、何人にも自由と正義を与える、統一した国民国家としての共和国を象徴しますが、私は、その共和国に対しても忠誠を誓います)。
これを毎朝、どんな人種や宗教の子供でも、声を大にして唱えるのです。私も、小学生の頃、何をしているのかわからないまま、手に胸を当てて、言葉も意味もわからず、この文句を唱えていた記憶があります。
もちろん、米国はまだ歴史の浅い、多民族国家であり、必ずしも単純に比べられるものではありません。しかし、学生時代、役所時代、議員時代と、米国以外の様々な国の人たちとの交流を振り返っても、やはり、わが国にはあまりにも「国家の物語」が欠落していると言わざるをえません。
他方、私たち国民が直面する挑戦は、実に厳しいものがあります。現役世代(労働人口)が減少し、市場が縮小し、潜在的な経済力が弱体化。社会保障費が年々重くのしかかり、財政が構造的に疲弊しています。こうした中で、中国をはじめ、隣国から軍事、外交上の圧力を加えられています。資源も食料もほとんどない日本は、体力が慢性的に弱っていく中で、今後も、聞き分けのない国と切った張ったの交渉をしていかなければいけません。
私が大蔵省に入省した1992年に、たまたまバブル経済が崩壊しました。「緊急経済対策」が、私が入省する前日の3月31日に発表されたのです。
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