本番で「勝つ人」と「負ける人」の決定的な差 最強の金メダリストは「単純」に実行している

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たとえば彼は予選と準決勝で水着の紐を結ぶのを忘れました。なぜか? 端的にいえば、緊張したからです。幸いトラブルは何も起きませんでしたが、私たちは地元に戻ってから水着が脱げないようにするという単純なタスクを必ず練習しました。

マイケルは後に、初めての五輪を前にして、「ちょっとビビっていた」ことを認めました。無理もありません。まだ歯列矯正器具をつけている少年で、身長も伸びている最中だったのですから。しかし、このときの経験から学んだことは彼の記憶に残り、4年後のアテネで「ビビる」ことはありませんでした。

準備を整えていたからこそ、自信も備わり、本番ではまったくミスすることなく6個の金メダルを勝ち取ったのです。

「本番――特にそれが最初のパフォーマンスの場合は、その経験からできるだけ多くのことを学ぶ姿勢で臨もう」。私は教え子たちにそう伝えています。結果以外のことを考えるのは難しいかもしれませんが、それでも、ひとまずやってみることです。経験を積むたびに全体のレベルが上がり、将来のより大きな成果の準備が整うのです。

大事な場面でも「集中力」をキープし続けられるか

私のもとを訪れる選手の中には、それほど集中力に恵まれていないアスリートもいます。彼らが大きな試合で失敗する原因はたいてい集中力です。試合と試合の間で気が散ってしまい、集中力が途切れてしまうのです。

同じようなわなに落ちている人はたくさんいるのではないでしょうか。家族、友人、仕事、娯楽――さらに、ツイッター、フェイスブック、インスタグラム、人気のゲームアプリ。それらはすべて、目の前の目標に集中する妨げになります。

私に長年協力してくれているスポーツ心理学者のジムは、パンアメリカン、世界水泳選手権、そしてもちろん、五輪といった大きな大会に同行します。レース前の精神集中がうまくいかない選手がいると、私から彼に知らせるのです。

試合では、集中力を妨げるさまざまなものをすべて排除して本番に臨む態勢が整っていなければなりません。だからジムが選手と会って、試合に集中できるようにサポートするのです。

そこではたいてい、こんなやりとりが繰り広げられます。

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