トヨタが「できる人」を作る秘密の仕組み マニュアルを超える「標準」の威力

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たとえば、ある部品のボルトを締めるという作業において、「しっかりと締める」とだけ記載してあっても、「しっかり」には個人差があります。本人はしっかり締めたつもりでも締め付けが緩くて、不良が発生してしまうこともあるかもしれません。

「誰がやっても同じものができる」が標準

この場合、たとえば「カチッと音がするまでボルトを締める」というように記載してあれば、誰が作業しても正しい強さでボルトを締めることができます。このように、「誰がやっても同じものができる」のが標準なのです。

こう話すと、それはマニュアルでは?と言う方がおられますが、標準とマニュアルは違います。一度設定したら現場での変更を認められない「マニュアル」と異なり、もっとよいやり方が見つかったらどんどん改善していくのが「標準」です。

製造現場でなくてもこの「標準」を作ることはできます。たとえば営業職であれば、配属直後から1人で営業をさせた場合、一人前になるまでに相当な時間がかかります。

また、ベテランになっても一匹狼的な仕事スタイルであれば、他のメンバーの知見が共有されず、成長にも限界が生まれてきます。一方で、一人前になるための教育プログラムがあり、さらには顧客のタイプ別や商品別に有効なアプローチ方法が確立されていたとしたら、組織としては早期に成果を上げることができます。これも、過去の知見を豊富に織り込んだ一種の標準と言えます。これらは、チームとして成果を最大化することに役立ちます。

ホワイトカラーの場合には、個々人で仕事の種類が異なるため、個々人での標準づくりが中心になるかもしれません。その場合にも、ある仕事をするときに毎回必要な確認事項を思い出すのではなく、仕事の種類ごとに必要な確認事項を一覧化しておけば、その都度考える時間や確認事項のヌケモレがなくなります。

過去の失敗は「標準」に落とし込むことで、時間がたっても他の人に活用してもらえる。
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