スズキ「スペーシア」で反撃 「広さ」が売りの軽ワゴン、ダイハツ、ホンダ追う
ターゲットとして狙うのは、赤ちゃんから小さな子どものいるファミリー層だ。熊谷氏は「パレットは比較的大きな子どものいる層が中心で、小さな子どものいる層を取り込めきれていなかった。このクラスのワゴンが、ファミリー層のファーストカーとして、10年程度使われることを考えると、小さな子どものいるファミリーに訴求する必要がある。そのために、(購買決定権を握る)子育てする女性の不便の解消に力を入れた」と語る。
子育て層の不満を解消
開発に着手するに当たっては、軽自動車を利用する子育て中の女性社員を中心に約80人を募り、使い方や不満点を洗い出した。技術陣や営業部隊の女性の意見も積極的に採り入れながら開発を進めたという。
スペーシアでは、子育て女性にアピールする機能の充実に努めているが、熊谷氏が「子育て中は、ティッシュや飲料ボトルといった小物類などものがたくさん必要。ファミリー層ではそれらの収納に苦労しているのが分かった」と言うように、収納スペースの取り方はとりわけ力が入っている。
助手席側のモノ入れの上部には、何と、箱ティッシュをそのまま収納し、直接引き出して使える箱ティッシュホルダーを装備。さらに上位グレードでは、天井にまで箱ティッシュの収納スペースがある。ドアなどの車体側面部へもペットボトルや小物入れを豊富に設けた。これで、子どもを乗せるクルマにありがちな、ティッシュや小物が車内に散乱する状態を軽減できるというわけだ。
「メーカーごとに大きさなど微妙に違う箱ティッシュがちゃんと入って、しかも千切れたりせずに取り出せる形状を作るのは非常に難しかった」と熊谷氏。「開発のためにティッシュの山ができた」と笑う。
また、いずれも上位グレードの装備だが、後部窓には引き出し式の日除けを装備、日除けだけでなく子どもの着替え時などプライバシー保護にも配慮。後部スライドドアには触れるだけで開閉と施錠・解錠を行うスイッチを設け、子どもと荷物で両手が塞がっていても、簡単にドアの開閉ができるようになっている。
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