スズキ「アルトエコ」が売れなかった理由

ダイハツ「ミライース」に対抗、一部改良で弱点克服

打倒「ミライース」――。

軽自動車大手のスズキが、最大のライバルであるダイハツ工業の追撃に向けて動き出した。ターゲットは、軽乗用車市場でヒットする「ミライース」。販売台数で7倍以上の差をつけられている「アルトエコ」(=タイトル下写真=)をテコ入れして、対抗するのだ。

燃費はガソリン車ナンバーワン

スズキは3月、アルトエコを一部改良(マイナーチェンジ)して発売する。最も際立つのが燃費。ガソリン1リットル当たり33.0km(2WD=2輪駆動)と従来(30.2km/リットル)より2.8km引き上げたほか、従来は設定がなかった4WD(4輪駆動)も新たに設定した。

33.0km/リットルの燃費は、ガソリンエンジン車ではナンバーワン。数値上は、トヨタ自動車の「アクア」「プリウス」といったハイブリッド車(HV)と比べても遜色ないレベルである。実はそもそも現行のアルトエコの30.2km/リットルの燃費自体が、ガソリン車ナンバーワンの地位をすでに確立していた。「自己ベスト更新」が、今回のマイナーチェンジで最大のウリだ。

11年12月発売の現行アルトエコは、その直前の11年9月に発売され、当時30.0km/リットルの燃費を持ったミライースとの真っ向勝負となった。スズキはわずか200mながら燃費性能で上回り、「軽のスズキ」の意地を見せていた。

ところが、燃費ナンバーワンでありながら、アルトエコの売れ行きはスズキが気合いを入れて臨んだほど、芳しくはなかった。ミライースが12年暦年で14.5万台を売り上げ、ヒットを記録したのに対して、現行アルトエコの実績は2.1万台にとどまり、対抗馬にはなれていない。

次ページ明暗を分けた理由は?
自動車最前線の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 小室淑恵 「覚悟の働き方改革」
  • 若者のための経済学
  • 晩婚さんいらっしゃい!
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
菅新政権が誕生しても<br>「安倍時代」は終わらない

牧原出氏執筆の連載「フォーカス政治」。9月16日に菅新首相が誕生しましたが、施策の基本線は「安倍政権の継承」。惜しまれるように退任し、党内無比の外交経験を持つ安倍前首相は、なお政界に隠然たる影響力を保持しうるとみます。その条件とは。

東洋経済education×ICT