スズキの“隠れたドル箱”「キャリイ」の進化 日産、マツダ、三菱自にOEM供給も
田園風景が広がる田舎道や海沿いの道路をドライブしていると、必ずと言っていいほど目にするのが軽トラック。農業や漁業、配送業など、「地方の足」として欠かすことができない商用車だ。
その分野でトップに君臨するのがスズキの「キャリイ」。1961年発売で、累計販売台数420万台を誇るロング・ベストセラー軽トラックである。このキャリイが14年ぶりにフルモデルチェンジ(全面改良)し、11代目として9月20日に登場する。
50kg軽量化、燃費は18.6km/Lとクラストップ
新型は従来モデルから50キログラムの軽量化を実施し、ガソリン1リットル当たり18.6キロメートルとクラス最高の低燃費を達成した。居住空間も、フロントウインドーを前方に移動するなど、前方空間を拡大。ドア足元の開口部を広げることで、長靴などを履いても足を出しやすくした。価格は66.5万~113.5万円という設定だ。
国内商用車のなかで軽トラックが占める割合は高い。2013年3月末時点での国内での商用車の保有台数は1466万台。そのうち軽トラックは470万台と3割を占める。スズキの調査によると、スズキの軽トラックユーザーのうち、約5割が農林水産業に従事する人々となっており、ユーザーにも特徴がみられる。「軽トラックは農林水産業の方や小売業の方などに使われ続ける隠れたベストセラー」。鈴木修会長兼社長は言う。目立たないが“隠れたドル箱”なのだ。
新型キャリイの年間販売目標は5.5万台。軽トラックは同ブランドでの乗り換えが多いという。国内営業を担当する田村実副社長は現行のキャリイユーザーに対する販売施策として、「下取り価格の引き上げなどで、販売増につなげる」と意気込む。
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