東武鉄道「有休取得日数連続首位」の舞台裏 1時間単位の有給休暇を導入、取得率アップ

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有休が取りやすいだけではなく、東武鉄道は平均勤続年数が24.7年(2015年度)で「長く働き続けやすい企業」という側面も併せ持つ。勤続年数ランキングでも上位に顔を出している。さらに2014年度の離職率は0.6%、新卒の3年後離職率(2012年入社)に至っては0%と、就職のミスマッチが極めて少ない。

ずっと働ける雰囲気が社内に醸成

「現業職は、駅務係、車掌、運転士というようにキャリアパスが明確で、長期目標が立てやすいからかもしれません。給与体系も短期的な成績で上下するのではなく、長く勤めることで有利に働くようになっています」

また鉄道会社は、遠方への転勤が少なく、ライフプランも立てやすい。沿線住民が就職するケースも目立ち、地元への愛着、地域貢献という意識があるので転職を考えない、あるいは地域によっては魅力的な転職先が見つからないといった事情もあるだろう。

「夜勤もあり、同じ場所で寝食をともにしますから、家族のような一体感も生まれます。先輩から面倒を見てもらい、次は後輩をサポートするのが当たり前、本社の総合職も500名ほどで、ほとんどが顔見知りです」(岩澤課長)と、社内の雰囲気の良さも影響しているようだ。

有給休暇の取得日数や取得率の高さに代表されるように、積極的に働きやすい環境をつくっている結果、「入社から定年まで働き続けられる会社」に繋がっているといえるだろう。

大正谷 成晴 編集者・ライター

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おしょうだに・しげはる

1973年生まれ。フリーランスの編集・ライター。ビジネス全般、株式投資、FX、投資信託、クレジットカード、介護など、幅広いジャンルで取材・執筆を行っている。著書に『1万円からはじめるFX超入門』。

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