さて、なぜそんな話をするのかというと、世の中にはいろいろな種類の「仕事ができる人」がいる中で、ある特定の組織において活躍できた人がほかでも絶対に通用するかというと、そんなことは実はまったくないのです。
ソフトスキルだけの例は、ほかの会社では通用しなそうなのは想像がつくかと思いますが、たとえばハードスキルオンリーの人も、ほかでは通用しないケースもかなりあるのです。そのようなケースで多いのは、ソフトスキル面の不足により、周りと良好な関係を構築できなかったがゆえに、得意のハードスキルを全開で活用できなかった、というケースです。
ではハード・ソフトスキル双方に秀でている人ならばどこでも通用するのかというと、事はそう簡単ではありません。なぜならば、ソフトスキルにも幅や種類があり、どんなスキルが求められるかは組織によって異なるからです。
「環境に合致している」ことが大事
たとえば、ある会社にとっては協調性が積極性よりも重視されるカルチャーかもしれませんし、別の会社では協調性は自主性のなさとみなされる可能性だって大いにあるわけです。そのように考えると、仕事ができる、または仕事で結果を出すために重要なことは、自分のスキルや経験といった実力に加えて、環境に合致している、という要素が大事であることがわかるかと思います。
したがって、山田さんも過去を振り返って今後の糧とするためには、ハードスキルとソフトスキルのどちらに問題があったのか、そしてそれはなぜだったのか、を考える必要があります。
いただいた文章を拝見するに、山田さんは苦労されて資格を取られ、キャリアを積まれてきたわけですから、ハードスキルよりも、職場の環境と山田さんのソフトスキル(対人能力)が合致していなかった可能性が高いものと思われます。
「空回りしている」と書かれていますが、もしかしたら山田さんはハードスキルに頼りすぎて、その会社で求められるソフトスキル面をおざなりにしてきてしまったのかもしれませんね。
今後はその会社において重要視されるコミュニケーションの取り方や、仕事の進め方といったソフト面での要素をいかに事前または転職後に理解し、少しでもなじむ努力をするかが大きなポイントになるでしょう。
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