アメリカは「対等な日米関係」に興味なし スタンフォード大学・ダニエル・スナイダー氏に聞く(下)

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つねに「イエス」と言う日本を米国は期待している

――歴史問題も含めて、日本の自立への願望はどうすれば満たされるのでしょうか。

私は、日本が米国への依存から脱したいと願うことは健全なことだと思う。ただ、それは日米同盟を維持したままでもできることだ。もし日本が自力で行動する意思を持ち、そのための準備を整えるようになれば、それは日米同盟にとってもよいことだ。

これは軍事的な面だけを指して言っているのではない。経済、テクノロジー、エネルギーなど、軍事以外のグローバルな政策分野でリーダーシップを発揮することも視野に入れての話だ。日中韓3国の連携など、米国が参加しない地域機構を構築することまでも含まれる。これは米国にとってもよいことだ。

米国は、日本との間でくすぶり続ける事実上の「新植民地主義的」な関係を清算するのに、手を焼いている。そして日本の側は、従属的な関係から抜け出そうとあがいている。

残念なことに、米国政府内のほとんどの外交政策専門家たちは、共和党・民主党を問わず、つねに「イエス」の返事を返してくる日本を期待している。同盟関係に対する彼らの考え方は、ほとんど昔のままだ。彼らは、真に対等な協力関係には関心がない。それは米国が大国であることのマイナス面の現れだ。大国にとっては単独で行動するほうがずっとやりやすい。支持はしてくれても本気で異議を唱えない同盟国は、好都合な存在なのだ。

ピーター・エニス 東洋経済 特約記者(在ニューヨーク)

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Peter Ennis

1987年から東洋経済の特約記者として、おもに日米関係、安全保障に関する記事を執筆。現在、ニューズレター「Dispatch Japan」を発行している

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