電気自動車は、ニッチ化? 大化け? イメージ先行で販売伸び悩み
急ピッチで充電インフラ整備を加速
2010年12月に、世界初の本格的な乗用量産EVとして登場したリーフ。エンジン自動車に代わるEV時代の幕開けとして期待されたものの、この2年の販売は低調だ。
累計販売台数は、12年末までに国内で2・1万台、全世界で4・9万台にとどまる。この普及ペースは、日産が公表する生産能力に対しては、ほぼ半分のペースだ。
リーフなど環境対応車事業を統括する渡部英朗・執行役員は「(異例な時期での)価格改定はEVをニッチ市場にとどめるつもりはない、という意志の表れ」と強調する。
マイナーチェンジでは車体を80キログラム軽量化、モーター改良やブレーキ時の電力回収を強化するなど、満充電での航続距離を14%伸ばし、カタログ上228キロメートルとした。
また、カタログ数値には反映されないが、暖房利用時の電力消費を抑えるためヒートポンプを採用し、実用上の航続距離も延長させている。
航続距離の短さを補うため、全力で取り組んでいるのが充電インフラの整備だ。現在、急速充電器は全国で1400カ所程度しかなく、出先での“電欠”不安が、EV普及の重い足かせになっている。日産は、販売店への急速充電器の設置を進め、リーフ投入当初200店だったものを、現在700店にまで拡大し、さらに急ピッチで整備中だ。