電気自動車は、ニッチ化? 大化け? イメージ先行で販売伸び悩み
住友商事やNECなどと合弁で設立した急速充電スポット運営会社の活用も進める。自ら充電スポットを整備していくだけでなく、石油元売り系などほかの充電サービスとも提携を拡大して、利用者の利便性向上を図っているところだ。
さらに、公共施設やコンビニなど、充電器の設置には関心があるが運用に不安を持つ事業者に対するサポートなども手掛けて、インフラ整備を加速させたい考えだ。
長期試乗で悪評払拭も
こうした中、インフラ整備の追い風と期待するのが、充電設備の設置に対する国の補助金拡大だ。12年度補正予算に1005億円もの大金が計上された。経済産業省は、14年3月までに全国で急速充電器を3・6万台、普通充電器を7・4万台設置することを目指す。
EVに対するイメージ改善に向けた取り組みも強化している。その一つが、販売店を通じてリーフを数日から1カ月程度貸し出す「長期モニターキャンペーン」だ。
デメリットが強調されがちなEVだが、「日常で使ってみてもらうことがよさを実感してもらういちばんの方法」(渡部執行役員)という。弱点とされる航続距離も、街乗り中心ならば現実には問題にならない。
実際、長期モニターキャンペーンを利用した顧客の成約率は、利用しない顧客よりも高いなどの実績も出始めている。
これまでリーフは日本でのみ生産していたが、米英でも、昨年末からリチウムイオン電池の生産を開始、今年からはリーフの生産も開始する。米英合計で年間26万台の生産能力を整備する。
さらに、14年には商用車「e-NV200」、高級車「インフィニティ EV」と、新車種投入も進める計画だ。
技術開発に加えて量産効果を出すことで、10年代後半にはバッテリーやモーターなど主要部品のコストを半減できるとしており、EVの急拡大を狙う。