東京のバレンタインは、夜の美術館で 会社帰りに『名画でホッ』する醍醐味

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三菱一号館美術館に展示されている73点のうち、59点が日本初公開の作品になる。クラーク美術館のコレクションは、まとまった形で国外に展示されたことがなかった。増改築工事を機に世界巡回展が企画され、すでにミラノ、バルセロナ、ロンドンなどで140万人が鑑賞した。ちなみに工事では建築家の安藤忠雄が新館の設計を担当している。

73点の中には、ルノワール以外にも見逃せない作品がある。

ジャン=フランソワ・ミレー『羊飼いの少女、バルビゾンの平原』1862年以前 油彩/板 クラーク美術館蔵Image©
Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA

羊飼いの少女が黒い犬に羊の番をさせ、立ったまま編み物をしている。編んでいるのは筒状の靴下らしきもの。太い茶色の毛糸は、この羊たちからとったものだろう。少女の勤勉さに頭が下がる。

作者のミレーは敬虔なキリスト教徒の家庭に育ち、農村の日常風景を描いた。昔から日本人に好まれ、『種まく人』は岩波書店のマークにも使われている。

クロード・モネ≪エトルタの断崖≫1885年 油彩/カンヴァス クラーク美術館蔵
Image© Sterling and Francine Clark Art Institute, Williamstown, Massachusetts, USA

モネの『エトルタの断崖』は、きらめく雲や波を描いて、朝の光をとらえようとした1枚だ。ノルマンディーの沿岸で制作された。モネは第1回印象派展に『印象、日の出』を出品し、それが印象派の名の由来となった。

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