東京人が知らない「私鉄王国・関西」の超魅力 度肝を抜く個性派車両が勢ぞろい!
個性派ぞろいになったミステリーを解き明かす
阪急、南海、阪神、近鉄、京阪。この5つの私鉄の存在は、関西を「私鉄王国」と言わしめてきた。歴史から技術、列車デザイン、沿線文化に至るまで、なぜこんなに個性派ぞろいになったのか。
そのミステリーを解き明かしつつ、個性ぶりをカラーの写真と図版満載で、各電車びっちりとまとめてある。「知らなかった~」と何度もうめきながら読める、熱のこもった一冊だ。さて、出発進行!
という「はじめに」の巻頭言からこちらをのけぞらせる本書の著者は「鉄道楽者」(「自称」とのこと)、本業は経営コンサルタントという1972年生まれの黒田一樹さんだ。写真を見ると、行動力を感じさせる精悍なお顔である。
「私鉄王国」と呼ばれるようになった由縁はこんなことらしい。
まず、東京の私鉄は、環状に走る山手線の主要駅から放射状に伸びるため、国鉄の影響が強かった。関西では逆で、国鉄(~JR)との競合関係が多く、独立の気概に満ちていた。自動改札の導入が関西では首都圏よりもだいぶ早かった事を思い出す。この傾向はいまもあるようで、JRの民営化後は特に、快適な付加価値の高いサービスの充実を目指すようになったそうだ。
ターミナル駅が巨大で充実しているのも関西の特徴だとのこと。東京では、乗降客数をそこで受け止めきれないために地下鉄との相互乗り入れが発達したが、関西圏ではそれほど多くない。各私鉄の沿線文化がクローズドなものになる一因なのだという。東京と比較して全体を読み解くとわかりやすい。
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