東京人が知らない「私鉄王国・関西」の超魅力 度肝を抜く個性派車両が勢ぞろい!
5電車それぞれに、キーワードをつけて紹介している構成がまた、ユニークだ。各電車のキーワードをまとめておこう。カギつきの言葉がキーワードとなっている。コメントは私がまとめてみた。
阪急電車 「創業者」の顔が見える鉄道。
創業者、小林一三から端を発する「阪急趣味」の極みが要所要所に見られる。(写真・1ページ目)
南海電車 過剰こそ美学、「バロック」の凄み。
繁華街と田園都市。海と山。和歌山港と高野山。この対比に驚かされる。
阪神電車 「速い電車」とは何か?
「路面電車」の免許申請から歴史が始まったせいか、スピードにかける思いが今も強い。
近鉄電車 日本一の鉄道の「エキゾチシズム」。
営業キロは501.1キロと断トツの存在だ。乗れば、いつのまにか遠くに運ばれてしまいそう。
京阪電車 玄人をも唸らせる、「名匠」のからくり。
技術を日々切磋琢磨し、日本初、関西初、私鉄初の枕詞が多くつく進取の気性がある。
なるほど、とうなずきつつ各電車のそれぞれ40頁には及ぶかという紹介に、ページを繰る手が止まらない。
鉄道マニアではなくても楽しめる
わかりやすい路線図に始まり、各電車の開始以来の特徴を、項目ごとに写真満載で解説していく。ときどき乗車旅エピソードになるのが鉄道マニアではない私にも楽しい。各末尾には、観光も含めた各電車「10の楽しみ方」、そして「私鉄王国用語集」なる、思わずにやりのニッチ情報も加わっている。
なぜか近鉄電車に乗る機会がここ数年何度もあったので、紹介例としてあげてみよう。
そもそも、この電車はケタ違いに長い。本書の中にもあるが、営業キロを見れば、阪急143.6キロ、南海154.8 キロ、阪神48.9キロ、京阪91.1キロに対して、近鉄は501.1キロ!
無料会員登録はこちら
ログインはこちら