日産、"自動運転"を「セレナ」に搭載する意味 普及価格帯で世界初も、ジレンマとの戦いへ

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フロントウインドウの上部に単眼カメラが設置されている(撮影:尾形文繁)

日産が開発した技術「プロパイロット」は高速道路の単一車線において、時速30~100キロの範囲内で前方を走行する車との車間距離を保つ。具体的にはフロントウィンドウの上部に設置した単眼カメラと画像処理ソフトで道路上の白線と前方の車両を認識し、ハンドル、アクセル、ブレーキを自動制御する。

ドイツのメルセデスやアウディでも前を走る車の自動追従技術は既に実用化しているが、普及価格帯への搭載は日産が世界初となる。自動運転機能付きモデルでも300万円以下に抑えるという。セレナはトヨタのノアやヴォクシー、ホンダのステップワゴンとミニバン市場で競合する日産の主力車種だ。2015年には6万2000台近くを販売している。

自動車メーカーは一般的に新技術を高級車種から搭載した後、量販車種に広げていく。今回、日産があえて普及車種から搭載していくところにこの技術を普及させたいという強い意志が感じられる。日産は2015年から歌手の矢沢永吉氏をテレビCMに起用し、「やっちゃえNISSAN」をスローガンに自動運転技術への取り組みをアピールしてきた。ただ、CMで使ってきた「自動運転」という言葉の意味や、その技術が一体どんなものか、消費者の理解が進んでいるとは言い難い。

販売店に対して研修を徹底

日産もこの点は重々承知。CMに見られる積極的な姿勢とはうって変わって、実際の販売は慎重に進める考えだ。同社では新型車の販売前には通常、各販売会社から1名ずつ営業の代表が参加する研修会を行うが、新型セレナの研修では全販売店から1名ずつが参加している。その数、実に2000人弱に上り、全体では3週間をかける。開発者が講師陣となり、実車を用いて、雪道や霧、西日を受けた状態など、カメラの性能限界からプロパイロットが作動しない状況について詳細に説明しているという。

開発幹部は「今までは良いことばかり言ってきたかもしれないが、実際の販売ではお客様と正確にコミュニケーションを取ってもらうよう配慮している」と話す。

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