黒人射殺抗議で反響呼んだ女性が心境を吐露 「私は人間であり、女性であり、母である」
[14日 ロイター] - 米ルイジアナ州バトンルージュの路上で黒人射殺に抗議するデモのさなかに、長いドレス姿で重武装の警官隊の前に立つ様子が話題となった黒人女性が14日、初めてインタビューに応じた。CBSニュースが報じた。
イエシア・エバンスさん(35)が警官隊と対峙する様子を収めた写真はネット上で拡散され、大きな反響を呼んだ。写真は、警察の有色人種に対する不当な扱いを非難し、全米で起こった抗議デモに参加した人々の気持ちを一部代弁するものだ。ロイターの契約カメラマン、ジョナサン・バックマンが撮影した。
准看護師であるエバンスさんは、CBSのニュース番組「ディス・モーニング」共同司会者のガイル・キング氏に対し、9日の出来事について話した。警察がデモ参加者に路上から離れるように命じていたにもかかわらず、エバンスさんは路上に歩いていかなければならない気持ちに駆られたという。
「私はただ、彼らを見る必要があった。警察官を見る必要があった」。エバンスさんは14日に放送されたインタビューの抜粋の中でこう述べた。インタビュー全体は15日朝に放映される予定だ。
「私は人間であり、女性であり、母である。私はあなたの看護師になるかもしれない。あなたの世話をするかもしれない。私たちの子どもは友達かもしれない。みんな誰もが大事。大事にしてとお願いする必要はない。みんな大事」とエバンスさんは語った。
黒人男性アルトン・スターリングさん(37)が地元警察によって5日に射殺され、バトンルージュは抗議デモの引火点となった。コンビニエンスストアの前で銃を持った男に脅されているとの通報を受けた警察は現場に警官を送った。スターリングさんは同店舗前でCDを売っていた。
スターリングさんの死と、ミネソタ州セントポール郊外でもう1人の黒人男性、フィランド・カスティールさん(32)がその翌日に射殺された事件は、過去2年間渦巻いた「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切だ)」と呼ばれる黒人への反差別運動をよみがえらせた。
ロイターのカメラマンによると、警官隊がデモ隊を排除した後に、エバンスさんが幹線道路上を歩いて彼らの前に立ったという。彼女は無表情で、何も話さなかったという。
警官が彼女を捕まえ、急いで連れ去った。ほんの30秒程度の出来事だったという。地元警察当局の拘置記録によると、エバンスさんは幹線道路の交通妨害の容疑で拘束され、釈放された。
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