1ドル92円台でヘッジファンドはどう動くか ディーラー歴20年の達人が読む為替

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つまり、90~93円付近では、たとえ大台(=1ドル90円)をブレークしていっても、それらのオプションに絡む利食いがでてくるために、今度は権利行使価格をはさんで、レンジマーケットになってしまう。このために、たとえ95円方向にドル円が向かうとしても、それらオプションに絡むドル売りをこなしながら、じわじわと上昇していくものと思われる。

それでは今ドル円を買っている、あるいは売っているプレーヤーたちはどんな人たちだろうか?

売っている人たちは、おそらくこのようなオプションに絡む売り、すでにドル円の買い持ちを保有する人たちの利食いの売りが考えられるだろう。また輸出企業からの売りもあるだろうが、今回の上昇局面で、しかも輸出が絶好調というわけでもない中での、「輸出勢のドル売り」は、さほど市場に影響を与える規模ではないと思われる。

また、投資信託で海外に投資するものの中には、為替が円安に向かったために、基準価額が大幅に上昇し、利益が増加した投資家からの解約がものすごい勢いで出てきているともいわれる。確かに、これら投信の解約に絡む売り物も、それなりに目立っている。

だが、むしろたった2か月ほどで20%前後も上昇する相場では、明らかに買わなければならない人たちのほうが多いのではないだろうか。確かに、売りたい人は余裕で売れるが、ドルを買いたい人は押し目がなく、なかなか買えずに相場が上昇していく状況だろう。

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