無料塾「八王子つばめ塾」が救う子どもたち 経済格差を教育格差にしない

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つばめ塾に通う中学2年の園田大志くん(仮名・13)は「5人きょうだいの一番下」という家庭環境で育った。

「お兄ちゃんが通っていて、入ろうと思ったきっかけは親に言われたから。水曜日に英語、木曜日に数学を習っていますが、先生がいっぱいいるからすぐに質問できるし、すごく丁寧に教えてくれてわかりやすい。英語はあんまり得意じゃなくて、1年生の参考書も使って復習中。勉強しないと“終わる”から、ここに通えてよかったです」

理事長自身はアルバイトをして家族を養う

つばめ塾の八王子駅前教室でのひとコマ。講師はほぼマンツーマンで生徒を指導。「わかった!」とうれしいそうな声が響く場面も

つばめ塾の入塾条件のひとつに“経済的に苦しいと感じていること”という項目がある。住民票と課税、非課税証明書を提出する必要はあるが、両親の収入制限はない。収入がそこそこあっても、多子のために教育費の捻出が困難というケースもあるからだ。

そんな家庭に、小宮理事長は寄り添う。

「僕はつばめ塾を通して、“学習面においては必ず子どもたちを手助けするよ”“お金のあるなしが教育を左右するのは違うんだよ”という社会にするための種まきをしたいんです。まき続け、育てたい」

塾設立当初は映像制作会社に勤務していたが、半年後には辞め、塾に専念。現在は市内に5つの教室を運営し、年末年始以外、年間361日、生徒を受け入れている教室もある。数学と英語がメインで理科、社会、国語は休み期間に集中講習をする。

「つばめ塾の運営は、ほぼ100%寄付金で賄われています。小口の方ですと、毎月1000円~数千円。中には毎月10万円ほどくださる方もいます。場所代や諸経費を合わせると、つばめ塾の必要経費は1か月10万円強くらい」

自身の生活はというと、「私自身は皿洗いや弁当配達、コンビニエンスストアのアルバイト、高校の非常勤講師もしています。妻と3人の息子を食わしていかなければなりませんからね」と苦笑いする。

無料塾は住みやすい社会にするための“投資”

苦しいときに義父母に助けられたりしたが、つばめ塾の理念に賛同し、無報酬で教えてくれる約60人の講師の存在が大きい。

「社会人と学生が半々、男女比は6:4くらい。報酬はゼロで、交通費すらお支払いしていません」(小宮理事長)

それでも4割は市外から通ってくれるという熱心さだ。

次ページ将来への“投資”
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