米国では銀貨が過去最高の売れ行き

急騰後、調整中の銀価格はどうなるか

しかし、その直後、CFTCの介入により先物証拠金が引き上げられ、建玉制限等の措置も加わって、ハント兄弟は資金繰りに行き詰まる。わずか2カ月後に銀価格は11ドル/トロイオンスまで低下。結局、ハント兄弟は全財産を失うこととなった。

金銀比の価格で、銀価格を把握する

米国発で銀投資ブームが起こる際のキーワードのひとつが、金銀比価である。金銀複本位制に始まり、ゴールドラッシュを経て金本位制へ至る米国史の中で、つねにアメリカ人は金との対比で銀を見てきた経緯があるのだと考えられる。

銀に強気なアメリカ人が必ず持ちだすのが、ニュートン比価(1:15.21)や有史以来の金銀採掘量(16万トン:100万トン)である。これらの考えに基づけば、金価格が1,700ドルの場合、銀は112ドルであったり272ドルであったりしてしまうわけだが、金銀の法定兌換がない現代において、需給環境が異なる2つの金属を比べる根拠としては妥当性に欠ける。

ちなみに“金に比べて割安な銀”に目をつけたハント兄弟の事件の際、市場の金銀比価が1:17まで行ったことは特筆すべきことであるが、逆に2カ月で8割以上の価格を失うまで売り込まれるほど、無理なことをしても、もはやニュートン比価には到達できなかったのである。過去20年ほどの金銀比価推移を見てみると、だいたい60を中心値に±20ぐらいで推移している(上図表)ことがわかり、大きなパラダイムシフトがないかぎり、おおむねそのレンジは崩れることはないであろう。

次ページあのW・バフェット氏も銀投資をしていた時期があった
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