米国では銀貨が過去最高の売れ行き

急騰後、調整中の銀価格はどうなるか

まず、初代合衆国大統領のジョージ・ワシントンの任期中の1792年に、米国では貨幣不足を背景に、金銀複本位制が採用された。その際の金銀比価はあのアイザック・ニュートンが英国の造幣局長だった1717年に定めたニュートン比価に近い1:15であった。

その後、1830年代に、この法定比価が市場実勢や国際水準からかけ離れているとの理由で、いったん、1:16程度まで引き上げられたが、1848年から49年にかけてのゴールドラッシュは事態を一変させた。

1980年の1トロイオンス50ドル超が最高値

急速、かつ著しく金の需給が緩和されたことで、法定比価を悪用した銀への投機が起こってしまったのである。銀の流通量をはるかに凌駕する金が生産され、貨幣として流通した結果、銀の市場価値は急騰した。

この出来事が、やがて1873年以降の米国の金本位制移行につながっていくが、金よりわずかに遅れて1859年にネバダ州で巨大な銀鉱床が発見され、その後1871年から1900年までの間、米国が世界最大の産銀国になったことを考えると、発見のタイミングによっては、まったく逆の展開もあったのではないかと思う。

銀への投機といえば、20世紀の1979年から80年にかけて起こったハント兄弟の事件はあまりにも有名である。70年代の2度にわたるオイルショックや、旧ソ連のアフガニスタン侵攻を経て、まずは金価格が高騰。そして、金に比べて銀が割安であると見たテキサスの石油王、ハント兄弟が、3000トンを超える銀を買い占めたことで、80年1月に銀価格は今現在も破られない50ドル/トロイオンスの壁を突破し、史上最高値を付けるに至った。

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