「リフレ相場」に反応しない日本国債 国債の金利上昇は当面起きない?
為替市場では、日銀がFRB型の「オープンエンド」の資産購入方式に切り替えれば金融緩和の度合いが強まるとの期待もあったようだ。しかし、上述したようなストック、フローの意味合いを考えれば、「オープンエンド」に切り替えることそれ自体が実質的な金融緩和を示すものではないことが分かる。
ただ、逆に言うと、すでに、2012年2月以降、日銀の国債購入政策によって国債需給は極めて大きな影響を受けるようになってきており、その程度は欧米市場と比べて決して小さなものではない。それが日本国債の金利を「リフレ相場」から遮断している一因なのである。
それが日銀の政策意図であるとはいえ、この先、さらなる国債購入政策の強化が図られて行けば、日本国債市場の特異な動き(株価変動にも全く反応しないというような)は一段と目立ってくる可能性があるだろう。
国債市場の機能低下か長期金利急騰か
白川日銀総裁が強調するように、長期的には、日銀の政策が財政ファイナンスと受け取られれば、長期金利は急騰し得るという見方も一面においては正しい。しかし、2013年の日本国債の市場における懸念は、むしろ逆方向にあるように思える。すなわち、日本国債の市場が一段とそのダイナミズムを失い、他市場との相関も失って行くような姿である。
最終的には「日本国債市場の機能低下」というような状況にまで至る可能性もあるだろう。それは明らかに過剰な金融緩和の副作用と言えるのだが、市場予想の観点からすると、「長期金利の低位安定が予想以上に長期化する方向」と見ざるを得ない。
もちろん、そういう状況に至るかどうかは、総裁人事も含めた今後の日銀の国債購入政策次第ではあるのだが、「リフレ」=「金利上昇」という先入観を、しばらくは封印しなくてはならないのではないだろうか。
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