「リフレ相場」に反応しない日本国債

国債の金利上昇は当面起きない?

そもそも、日本国債の金利の株価変動に対するベータは、2011年後半頃から低下傾向にある。昨年11月以降は株価が急伸しているために、日本国債の金利の感応度の低さが特に目立ったが、日本国債の対株価でのベータ低下は恒常的なもののようにも見える。その要因は幾つか考えられる。

日本国債はなぜ、「リフレ相場」に反応しないのか?

(1) 株価は景気サイクルに対して一定の反応を示すが、通常の景気サイクルの範囲では金融政策の変更はまだ行なわれない可能性が高い。

(2) ディレバレッジや財政再建など、グローバルに見てもディスインフレーションが長期化する可能性が高く、インフレ期待の上昇がなかなか起きない。

(3) 日銀の国債購入拡大で需給的に金利が固定化されやすくなっている。

これら3つの要因のうち、(1)と(2)の材料に関しては、日本だけではなく欧米市場でも織り込みが共有されているように見える。日本ほどではないが、欧米の長期金利の株価変動に対するベータ値も低下しており、直近ではゼロに接近している。

ただし、欧米では日本のように趨勢的なベータの低下が起きているとまでは言えず、日本国債の金利のベータ低下傾向には日本固有の要因が寄与していると考えるのが妥当だろう。その意味で、(3)の「日銀による国債購入拡大」の影響をやはり考えざるを得ない。

もちろん、米国でもFRB(米国連邦準備制度理事会)が長期債まで含めて国債を大量に購入してきた経緯があるが、日銀の国債購入政策は2012年2月以降に本格的に強化されている。12年に入ってからの「日銀の変貌」が、日本国債の金利の対株価でのベータを海外対比でも特に低下させてきている可能性があろう。

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