「アリス・イン・ワンダーランド」、なぜ続編? 敏腕女性プロデューサーが語る作品の狙い

✎ 1〜 ✎ 96 ✎ 97 ✎ 98 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

――するとお姉さんと一緒にロケットの出てくる映画が作れそうですね。

そうですね。ただ、彼女は極秘の仕事をやっているようなので、細かいことは何も教えてくれないですけどね(笑)。

スタジオ内に子どもの教育設備がある

スザンヌ・トッド(Suzanne Todd)/ 1965年、米カリフォルニア州出身。映画制作会社チーム・トッドを経営し、数々の話題作を手がけるプロデューサー。これまで製作した映画の全世界における興行売上総計は20億ドル超。主な作品に『オースティン・パワーズ』『アクロス・ザ・ユニバース』『メメント』『マネー・ゲーム』『アリス・イン・ワンダーランド』など。映画やテレビにとどまらず、アクティヴィジョン/ブリザードのクリエイティブ&ビジネス・コンサルタントとして、同社のゲーム開発にも携わっている(筆者撮影)

――ところでスザンヌさんは3人のお子さんがいるそうですが、仕事との両立は大変ではないですか。

そう、ものすごく大変! 毎日がまるで戦争のような状態だから、グーグルカレンダーを活用しています。この映画の撮影はロンドンで行ったんですけど、現場に子どもたちも連れて行ったんです。土日はウィンザー城を見に行ったり、彼らもとても楽しんでくれていました。スタジオに教育設備があるので、日中、彼らは勉強をして、わたしは仕事をして。お昼は一緒に食べて、という生活でした。

娘はとにかく衣装が大好きだったので、撮影現場の衣装を見て「まるでデパートみたい!」と喜んでいたし、それからジョニー・デップにココナツを持って行くのがものすごく楽しかったと言ってました。とてもいい経験をしましたね。

――映画の仕事は、お子さんと一緒にいるのに最適な環境なのでしょうか。

他の仕事をやったことがないので、単純に比較はできないけれども、撮影が長時間になれば時間はない。だから一緒にいられる時もあるし、いられない時もあるという感じですかね。ただ、わたしがかつてユニバーサルと組んだ時も、今回のようにディズニーと組んだ時も、ちゃんと子どもを見てくれるシステムがあったので、撮影現場に子どもを連れて行くこともできた。そういう意味ではわたしは恵まれているんだろうと思います。

――スザンヌさんとしては、やはりお子さんと一緒にいる時間が大切なんですね。

わたしとしてはできるだけ一緒に時間を過ごしたいんですけど、大きくなればなるほど友だちと一緒にいる方がいいみたいで。なかなか一緒にはいてくれなくなっちゃう(笑)。わたしの教育のポリシーは、感謝の気持ちが大事ということ。それからこの世の中では失敗することもあるし、起こってしまったことは仕方がない。むしろ、それに対してどう対処するか、その行動の方が大事だよ、ということは伝えています。うちは兄弟が3人いるので、せめて兄弟だけでもお互いに優しく、助け合ってもらいたいなと思っています。

次ページ 若手には失敗談を伝えている
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事