「アリス・イン・ワンダーランド」、なぜ続編? 敏腕女性プロデューサーが語る作品の狙い

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――ところで教育といえば、スザンヌさんは、若手の映像作家も指導されていると聞いたのですが。

若い女性たちに自分がこの業界で学んできたことを教えています。そこではむしろ自分の失敗談を伝えるようにしています。やはりハリウッドで成功するためには、とにかく一生懸命頑張って、そしてとにかく粘ることが大事。もちろんお金を稼ぎたいだけなら、他にもいくらだって仕事はありますが、映画という仕事をやるにあたっては、どうしてもこの物語を語りたいという情熱を持ってないといけない。そういった話をしています。

ディズニーの女性キャラが強くなっている

ジョニー・デップ演じる帽子屋ことマッドハッターなどおなじみのキャラクターが登場 (C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

――その粘ることに対するモチベーションの源はどこから来るのでしょうか。

わたしのモチベーションの源は、やはり自分が若い頃に経験した映画館での記憶が大きいんだと思います。わたしたちは映画館で、泣いたり、笑ったり、感動したり、いろいろなことを学んだりと、まるで魔法のような体験をしてきました。そういう映像をどうやって作るんだろう、ということを理解したいし、またいろんな人に影響を与えたいというその思いがモチベーションなんです。

――スザンヌさんの教え子の中から、将来はいい人材が多く生まれそうですね。

そうですね。わたしが映画学校に行って、映画を作っていた時代はスーパー8とか、スーパー16といったフィルムか、せいぜいビデオがあった程度でした。でも今はファイナルカットプロという編集ソフトもある。もちろんコンピューターがなくてもiPhoneやAndroidといったスマホもあるし、誰もが映画を作れる環境が整っている。そしてYouTubeをはじめ、その作った映画を発表する場所もいろいろと増えている。環境はしっかりと整っているんで、あとはクレイジーなアイデアさえあれば、面白いものはいくらでも出てくると期待しています。

――本作もそうですが、近年のディズニー映画は女性の自立が大きなテーマになっているように見えますが、そういった機運がディズニー内にあるのでしょうか?

そう言われて思い返してみると、確かにかつてディズニープリンセスと呼ばれてきた主人公や女性たちがパワフルになってきているのは確かだと思います。でも、男性ももう少し頑張ってほしいなとは思いますよ。ボブ・アイガーというディズニーの会長は本当に博愛主義者ですが、彼の奥さんがものすごく素晴らしく、頭がいい女性なんです。だから女性の自立というテーマは、そこから浸透しているのかもしれないですね(笑)。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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