――別のインタビューで「今回は軽いタッチの作品にしたかった」とおっしゃっていましたが、だから監督を変えたということもあるのでしょうか。
つまり監督がどれだけ映画に影響を与えるかということです。1本目の『アリス・イン・ワンダーランド』はティム・バートンらしさが出ていた作品だったけど、今回、ジェームズ・ボビンが撮ることが決まった時点で、彼の視点が色濃く出ることになった。彼の目から見た世界というか、彼の持っているものがより軽いものだった。だから今回は外側から軽くしようと言って変えたのではなく、ジェームズ自身が持っているものから自然発生したものだったと言えます。
脚本作りには1年半以上かけた
――軽くなったことでターゲットは変わってきたのでしょうか。
もともと1作目は老若男女すべてを取り込んできたので、それ以上層を広げようという考えはなかった。でもこれは実にぜいたくな悩みでもあるのですが、キャラクターがいっぱいいて、それぞれがすごく面白いキャラクターなので、どこに焦点を当てても良かった。小さなネズミに焦点を当てることもできたし、チェシャ猫を前面に押し出すことだってできた。それは本当に悩みどころだったわけです。だから脚本作りには1年半以上かけてじっくり練り上げました。
――主人公がアリスであることはもちろんですが、ジョニー・デップ演じるマッドハッターが中心人物となったのはどこからだったのでしょうか。
マッドハッターとアリスは特別な関係です。2人は非常に深い友情で結ばれている。友だちだけど家族のようなつながりを持っていることが大きかったですね。
――クレジットを見たら、プロデューサーとしてスザンヌ・トッドさんのほかに、ジェニファー・トッドさんという名前を見つけたのですが、もしかして姉妹ですか。
そう。1人は金髪で、1人は赤毛なんです。赤の女王と白の女王と、髪の色が同じなんですが、わたしたちは映画とは違って仲良しなんで、それ以上はあまり深く突っ込まないで(笑)。
――2人の女王と違って、スザンヌさんとジェニファーさんは『オースティン・パワーズ』や『メメント』『アリス・イン・ワンダーランド』など、2人でお仕事をされているようですね?
2人とも10代の時から映画が大好きで、いつも一緒に映画を観ていた。実はもう1人姉がいるのですが、彼女はロケット工学を研究している科学者なんです。だから1人はとても頭が良くて、残りの2人が映画作りに入ったというわけです。
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