賢い一流のアスリートを積極採用したい
キム:プロレスはものすごく潰しが効かない職業ですので、ものすごく不安だと思います。そういった意味では、レスラーの第二の人生、セカンドキャリアみたいなものも考えていかれるということですね。
木谷:昔は体が大きくて、強そうだからという理由で、そのままレスラーになったりしたんですが、これからは頭のよさとか、見た目が大事だと思いますね。その2つに身体能力を加えた3つが大事です。
キム:吉本興業も一時、昔みたいに単に面白い人間でなくて、高学歴のお笑い芸人を積極採用して、シナリオライターが書いた台本をちゃんと的確に演じてくれる芸人を雇えという方針を出していました。強いキャラクターを完全に表現するという意味ではこれと同じようなことがいえると思うのですが、そうすると、ますますスカウティングが重要ですね。
木谷:ええ。たとえば、真壁刀義選手は、しゃべりがすごくうまくて、芸能関係でも評判がいいんですよ。だから、今後はVシネマなどにどんどん出ていくと思います。
そのほかには、棚橋選手と中邑真輔選手の2人。それぞれ、立命館大学と青山学院大学を出ているし、非常にスマートですよね。田口隆祐選手は将棋も得意で、ブシロードのゲームもよくやってくれます。だから、プロレス以外のこともできると思うんですよ。ブシロードの社員になっても全然大丈夫だと思う。
何か一芸がある、もしくはベースとしての基礎能力がいろんな意味で高い人を採ってあげないと後で苦労しますよね。
キム:そういうことですよね。ただ、そこのところはまだ今は手をつけてらっしゃらない?
木谷:そうですね。だから「何となくとりあえず採っちゃった」というのはやめたほうがいいですよね。後がかわいそうですから。
やっぱり一番大事なのは、身体能力が高いことですね。次に頭がいいこと、それから、見た目という感じです。もちろん、やる気やプロレス愛も重要です。
キム:今のままですと、相撲取りとして落ちぶれた人とか、何かで芽が出なかった人が来るという悪いイメージがつくおそれがありますから、プロレス界は、他のスポーツに負けないくらいの一流の人材を採っているんだぞ、と印象づけることが必要かもしれないですね。
木谷:そうですね。だからレスラーのスカウトはものすごく大事だと思います。そうでないと世間に舐められるんですよ。「プロレス好きの人がなっているだけでしょ」みたいに。
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