成績まで流出、露呈した校務ICT化の高リスク いったん不正侵入されると多くの情報が流出
致遠館中の男子生徒の父親は「警視庁から連絡を受けるまで、不正アクセスに気付かないようなシステムを今後も使い続けて大丈夫なのか」と疑問を呈し、システムの閉鎖を含めた抜本的な見直しを求めた。
ICT活用のリスクが浮き彫りに
文部科学省は、学校情報を一元管理するシステムなど、情報通信技術(ICT)を活用した環境整備を進めているが、今回の事件は、システムにいったん不正侵入されると多くの情報が流出するリスクを浮き彫りにした。関係者は「導入するからには、高いセキュリティ意識が必要だ」と指摘する。
文科省は「校務の情報化は、業務を効率化し、運営の改善を行う上で有効」と、ICTを使った環境整備の必要性を指摘。2014年度からの4年間で、学校のICT化全体で各年度1678億円を充てることになっており、システム化を進める自治体は増えている。
それだけに今回の事件は関係者に冷や水を浴びせた形だ。これまでの学校情報流出は、USB端末の紛失といったケースが大半。文科省の担当者は「外部から侵入されて、大規模に情報が漏えいした事例は聞いた事がない」と話す。
100以上の自治体に校務システムを導入している内田洋行の広報担当者は「学校も常にセキュリティを意識する必要がある」と強調した。
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