パーティ大国フランスで、宴会芸をやってみた 外国人エリートたちとの社交の秘訣

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パーティでは、事前に参加者を研究せよ

さて、勇気を出して世界からくる重役に突進するあなたであるが、十中八九、「お天気が寒いですね」とか、「いつのフライトで到着したのか」とか、「いつまでいるのか」などのどうでもいい話を2、3言発して、“Nice talking to you”と言ってその場を立ち去り名刺だけ必死に集めて、後で上司に「これだけの人と関係を構築しました」などと馬鹿なことをしてしまってはいないだろうか。

メールを送っても返ってこない人からの名刺はなきにひとしく、また向こうから顔とあなたがやってることを好感を持って思い出してもらえない社交に意味はない。そのためには意味のある話を情熱的にする必要があるが、そのためにも本当にあなたが興味を持てる人で、あなたの人生やキャリアのプラスになる人を事前に選んでおかなければならない。

プライベートエクイティ業界の集まりの場合、事前に主要な参加者のプロフィールは公開されているので、その人のフェイスブックや著作を読んで具体的に突っ込んだ話をして“ワンオブゼム”で終わらないことが大切だ。かつ、あなた、および、あなたのネットワークが何の役に立ちそうもない人は、相手のためにもあなたのためにも避けなければならない。

さらに、あらゆる手段を総動員してあなたが抱いている敬意を相手に伝えよう。たとえ相手の名前が、エルドゥエンテ・エカチェリンカチュアなど相当覚えにくい名前でも、当然あなたは事前に写真と名前を何度も見て頭に叩き込み、相手が首にぶら下げているネームタグをちら見する努力をすることなしに「あなたのことは存じ上げております」と、好意と敬意を自然な形で伝えるのがのぞましい。

ただし相手が、アル・ゴア元米国副大統領やジム・ロジャーズ氏のように圧倒的な有名人であった場合は、単なるミーハーだと思われないよう、「写真を一緒に撮らせてください」といった浅はかな言動はぜひとも慎もう(といいつつ私は一緒に写真を撮ってもらったが)。

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