GMといすゞ、再び近づく距離 小型商用車の共同開発に乗り出すワケ

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そこでパートナーとして浮かび上がったのが、環境技術に強みがあり、かつて資本提携を結ぶなど気心の知れたGMという構図だろう。

ただ、GMにのみ込まれることなく、「いすゞらしさ」を継承した次世代車を作り上げなければ、いすゞがこれまで築いてきた東南アジアでの地位は崩れてしまう。両社の強みを生かしながら、どのように融合させていくかが、次世代車成功のカギとなる。

資本提携の可能性、いすゞ社長は消極的

両社が資本提携まで再び踏み込む可能性はあるだろうか。いすゞは今2013年3月期の売上高を1兆6300億円(前期比16.4%増)、営業利益1260億円(同29.3%増)と見込むなど、足元の業績は好調だ。

2000年代前半の経営危機の時期とは異なり、財務状況も改善してきた。このような状況を踏まえ、いすゞの細井行社長は「協業拡大の余地はあるが、早急に資本提携に踏み切る理由がない」と度々述べており、GM-いすゞの資本提携関係が再び復活することには、慎重な姿勢だ。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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