GMといすゞ、再び近づく距離 小型商用車の共同開発に乗り出すワケ
世界の自動車メーカー各社は、開発や生産面などでさまざまな提携・連携関係を築いている。「ヒト・モノ・カネといった経営資源を大きくすることこそが勝ち残りのカギ」という認識があったからだ。
だが、規模は上位メーカーに劣っても、独立独歩で地位を築いている日本のホンダや独BMWなどのような存在もある。11年9月には、スズキと独フォルクスワーゲンが経営哲学の違いを理由に提携を解消。必ずしも規模を追い求めない戦略を志向する動きもある。
一方、いすゞはトヨタ自動車と資本関係を築いているものの、明確な後ろ盾となるような存在の大手自動車メーカーはいない。ここに今回の共同開発のポイントがありそうだ。
エンジン技術だけでは環境対応に限界か
高効率なディーゼルエンジンの開発に強みを持ついすゞだが、燃費や排ガスなど今後の環境規制が厳しくなっていく中、エンジンの効率化だけでは対応にもおのずと限界がある。今後の自動車は、ハイブリッドや電気自動車(EV)などの電動技術や、新素材を使った車体の軽量化など、多くの要素を採り入れていかなければならない。巨大メーカーに比べて、研究開発力を含めた経営資源が乏しい、いすゞが単独で臨むのにはおのずと限界もある。
ライバルの日野自動車には「トヨタ自動車」という大きなバックアップが存在するが、いすゞを環境技術の面で支える企業は、実は見当たらない。トヨタとも資本関係にあるいすゞだが、リーマンショック以降、両社によるディーゼルエンジンの共同開発は凍結している。
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