渋谷で1億円超の賃貸物件が売れまくる理由 売り手も買い手も国際化する東京の新潮流

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では、グロブナーが東京で手がける高級レジデンスは、アジアの富裕層を狙ったものなのだろうか?

「われわれが手がけたザ・ウエストミンスター六本木は平均成約価格が2億8000万円、平均住戸サイズ134平米の99戸の分譲マンションでした。成約された方のうち、約4割がアジアの方なんですね。渋谷には六本木ほどアジアの方は来ないかもしれませんが、渋谷というエリアは2027年までにさらに開発が進み、ヒカリエと同サイズのビルが3本、4本と建つ予定です。しかもこれだけ緑に囲まれているユニークなロケーション。興味を持つ人は多いはずです」

多様性を持ち込むことで、東京はさらに楽しくなる

おふたりの話を総合すると、こういうことになる。

これからの東京は、アジアをはじめとする海外の富裕層が住宅を購入するケースが増える。したがって、エリック・パリー氏のように国際的な経験とセンスの持ち主が手がけた高級レジデンスの需要が増す、ということだ。

最後に廣井氏は、こうまとめてくれた。

上層階から中庭を望む

「アジアの富裕層は英語も堪能で、世界中を飛び回っています。そうした人々が満足できるレジデンスを提供したいと思っていますが、日本の高級マンションというのは画一的で、大手デベロッパーが提案してきたお仕着せのラグジュアリーだという感がぬぐえません。そこでエリックさんのように、経験豊かでカルチャーを理解している建築家を起用しました。われわれの仕事のキーワードは、文化の多様性だと思っています。多様性を持ち込むことで、東京の住宅マーケットはさらに楽しくなるはずです」

グロブナーの資料によると、ロンドンやニューヨークの市民のうち、4割近くが他国で生まれた人だという。一方、東京でのその数字は、一桁%に過ぎない。

10年前、20年前だったら、東京が“人種のるつぼ”と呼ばれるようになるとは夢にも思わなかった。けれども高級レジデンス市場の動きを知ると、あながち絵空事ではないように思えてくる。アジアの富裕層たちは、東京で住まいを買い始めているのだ。

(文:サトータケシ、写真:湯浅亨)

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