大相撲の魅力は、朝稽古を見ずして語れない 公開!7月名古屋場所「朝稽古」見学ガイド

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(4)マナー

稽古場には、見学者の心得が掲示されているところもある。一般的に、稽古中は私語厳禁、携帯電話の着信音もNG。写真撮影の際はフラッシュはたかないようにしたい。動画撮影を禁じている部屋もある。

(5)注目点

せっかく稽古を見学するからには、土俵内に目を凝らしたい。申し合い稽古(勝ち抜き戦)、三番稽古(同じ相手と続けて何番も取る)は、どの部屋でも行われる。稽古場では、黒いまわしが若い衆、白いまわしが関取衆。本場所とは違い、あくまで実力をつけるための場なので、過度な立ち合いの駆け引きはなく、正攻法でぶつかり合う。

番付通りではない稽古場での実力

立ち合い変化はまずない。引いたり、はたいたりも稽古場では好まれない。稽古熱心な力士、そうでない力士など、見ていればすぐに分かってくる。また、稽古場での実力は、番付通りでないことも面白い。稽古場で勝てないのに本場所に強い力士もいれば、その逆もある。将来性を見極めたりするのも、稽古見学の醍醐味だ。

(6)稽古後

力士がサインや記念撮影に応じてくれることもある。帰り際にお願いしてみよう。ただし、サインできるのは関取衆だけ。角界で若い衆は「まだ一人前でない」という理由で、サインできない不文律がある。これを知らずにお願いすると、一瞬気まずい空気が流れる時もあるので注意したい。若い衆はサインは無理でも、写真撮影は可能だ。本場所中は取組が控えていて時間に追われがちなので、サインや写真をお願いするのは場所前の方がベター。サインをもらう際は、色紙かノートくらいは用意したい。ちょっとした差し入れも喜ばれる。

(7)最後に

以上、いろいろ書いてみたが、先に指摘した通り、行ってみないと分からないことが多い。その分、困難(?)を乗り越えて、朝稽古を堪能できた時はきっと、また見に来たくなるだろう。お相撲さんは基本的にみんな、「気は優しくて力持ち」。勇気を持って声を掛ければ、ファンサービスに応じてくれる。ひいき力士を見つけて、本場所でぜひ声援を送ってほしい。屋外での稽古見学の場合は時節柄、熱中症対策もお忘れなく!

佐々木 一郎 日刊スポーツ新聞社編集局スポーツ部次長

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ささき いちろう

ささき・いちろう 日刊スポーツ新聞社編集局スポーツ部次長。記者として五輪、サッカー、大相撲を担当後、2013年4月から大相撲などの担当デスク。ツイッターのアカウントは@ichiro_SUMO。月刊相撲(ベースボールマガジン社)で「稽古場物語」をイラスト入りで連載中。

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