アサヒビール、ブランド戦略に新境地 ドライの成功なぞり「クリアアサヒ」初の派生商品
国内ビール大手の一角を占めるアサヒビール。持ち株会社アサヒグループホールディングスの中核として、圧倒的なブランド力を持つ「アサヒスーパードライ」を軸に、ビール類で国内シェア1位に君臨する。そのアサヒビールが商品戦略で新境地の開拓に挑んでいる。
アサヒビールは1月8日、東京・大手町の大手町ファーストスクエアで、2013年の事業方針説明会を開いた。昨年(12年)は前年比1.7%減に低迷したビール類の販売を、今年は若干プラスの0.5%増に回復を図り、新商品や営業体制の強化などに努める方針などが示された。
今回の説明会で目玉の一つとして発表されたのが、「第3のビール」や「新ジャンル」と呼ばれるビール類商品の主力ブランド「クリアアサヒ」シリーズの新商品「クリアアサヒ プライムリッチ」である。クリアアサヒをベースに、「最高級のコクとクリアな後味」をコンセプトとして、独自の製法を導入するとともに、アルコール分を6%に高めるなどの工夫を加えた。3月12日に全国一斉に発売する。
クリアアサヒは発売5年で1億ケースを突破
アサヒビール全体で見た商品戦略のポイントは、発売6年目を迎えたクリアアサヒが初めて「エクステンション商品」と呼ぶ派生商品を追加したことにある。クリアアサヒは昨年、累計販売が新ジャンルで初めて1億ケースを突破。各社からさまざまな商品ブランドが投入される混戦市場で定番ブランドに育った。