防衛省、北朝鮮ロケットの残骸を分析 鳥取の漂着物はロケットの先端部分
[東京 23日 ロイター] - 北朝鮮が2月に発射した長距離ロケットの一部とみられる残骸が23日、防衛省に運び込まれた。北朝鮮のミサイルの脅威が高まる中、同省は素材や加工技術などを調べ、技術の進展具合を分析する。
残骸は6月16日、鳥取県の海岸に漂着していたのを発見された。
大きさは縦1.9メートル、横1.2メートル、重さは75キロ。上部が赤色、下部が青色で塗装され、内側にはケーブルのようなものがぶら下がっている。
防衛省によると、搭載した衛星や弾頭を摩擦熱などから保護する「フェアリング」というロケットの先端部分とみられる。
韓国も2月によく似た残骸を回収。「衛星」と称して北朝鮮が同月7日に発射した長距離弾道ミサイル「テポドン2」と分析していることから、日本の防衛省は同じミサイルの一部の可能性があるとみている。
北朝鮮は6月22日、グアムを射程に収める「ムスダン」とみられる中距離弾道ミサイルを2発発射した。1発は失敗したものの、2発目は1000キロを超える高度まで達し、400キロを飛行した。
自衛隊の制服組トップの河野克俊・統合幕僚長は23日の会見で、「中距離弾道ミサイルの一定の機能が示されたと言える。日本の安全保障にとって非常に懸念すべき事態だと考えている」と述べた。
防衛省は北朝鮮のミサイル技術が進展しているとみており、回収した残骸の調査を進める。
(久保信博※)
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