スマホが生んだ、“異色"文房具の大ヒット キングジム「ショットノート」開発の舞台裏

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「最後は粘り勝ちだった」(遠藤リーダー)。ふたを開けてみれば、手書きのメモが手軽にデータ化できることが話題となり、発売時点から大ヒット。発売から1年あまりたったころには、JRに念願の交通広告も出稿できるほどになり、認知度も高まった。

ユーザーの声からホワイトボードが生まれた

当初はノート、メモ帳、ルーズリーフの商品ラインナップだったが、ホワイトボードタイプも追加した。これは、会議等で各人がノートを取らなくても、最後にスマホで画像を取り込めさえすれば、データとして管理できるという、ショットノートユーザーからの声が開発のきっかけだった。また、ファイルの台紙と収納された資料の色のコントラストを認識することで、資料などをファイルに収納したまま、スマホでデジタル化できる新しいファイルシリーズ「ショットドックス」も登場している。

こうした事例を基に、キングジムには、ブログやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)などからの提案も多く寄せられているという。これからも、「SNSなどの評判や声を参考に、いろいろな商品を拡大していきたい」(遠藤リーダー)。もともとはアナログな文房具が、スマホというテコを得てデジタル製品へと変身を遂げた。また新たなデジタル文具が次に生み出されるかもしれない。

鈴木 良英 東洋経済 記者

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すずき よしひで / Yoshihide Suzuki

『週刊東洋経済』編集部記者

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