東電は発電部門を切り離し送電特化で再生を

論争!発送電分離

また、今回の議論では、機能分離にするにせよ、法的分離にするにせよ、全国的なISO(広域系統運用機関)をつくるという方向になっており、そうであれば法的分離とISOの組み合わせのほうがベターだと私は考えている。

――ISOをどう機能させるかが重要ですね。

ISOは中立、公正なNPO(非営利団体)のような機関となる。人材的には、最初はある程度、電力会社の中央給電指令所(電気の使用量を監視しながら,電気の流れをコントロールする組織)にいる方々を移さざるを得ないだろう。ただ、意思決定に関わる幹部については、電力会社から独立した中立的な人をしっかり入れてマネージメントをしてもらうことが必要だ。

――人事権は誰が持つのでしょうか。

ISOのトップは経済産業大臣が任命する、電力会社からの出向は許さないといった方向にすべきだろう。大事なのは中立性をどう担保するか。ドイツのネットワーク庁のような独立した規制機関をつくり、監視することが望ましい。米国では、各州に公益事業委員会があり、発送電分離を推進したほか、連邦エネルギー規制委員会が送電事業の監督を行っている。

新政権による委員会答申の軽視や改革先送りに懸念

――日本での議論において、改革に対する電力会社側の抵抗はどうですか。

4カ月ぶりに議論が再開された11月7日のシステム改革委の議論では、電力会社側が発送電分離に対して、それまでよりかなり慎重、消極的になった印象があった。電力会社としては、これまでの発送電一貫体制を維持したほうがいいと思うのが当然かもしれないが、原発再稼働の遅れによる業績の悪化や、総選挙前で政権交代の可能性が高まっていたことも影響しているのではないか。

――総選挙後の政権交代によって、新政権はシステム改革委の議論をどこまで尊重するでしょうか。

システム改革委は「八条委員会」(国家行政組織法第八条に基づき、省庁の内局として設置される組織で、同法第三条に基づく「三条委員会」より独立性が低く、行政に対する強制力は持たない)であり、政府としてはその答申を煮て食おうが焼いて食おうが無視しようが自由。

ただ、これほど専門家が時間をかけて議論してきたことを、すべてガラガラポンにできるのかといえば疑問だ。自民党は原発再稼働について「3年以内に可否を判断する」としており、電力システム改革についてもそれに合わせて、やや時間を取ってやるということになるかもしれない。実質的な先送りの懸念はあるが、前向きな改革に期待したい。

東電処理とシステム改革は一対の問題

――公的管理下の東京電力を発送電分離のモデルにするとの議論もあります。

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